ミュージカル「聲の形」ゲネプロ!手話とともに歌唱で山﨑玲奈&島太星役作り苦心

ミュージカル「聲の形」ゲネプロ!手話とともに歌唱で山﨑玲奈&島太星役作り苦心2

 ミュージカル『聲の形』(上演台本・作詞・演出:板垣恭一)取材会が4日、東京・池袋のサンシャイン劇場で開かれ西宮硝子役・山﨑玲奈、石田将也役・島太星、永束友宏役・宮下雄也、植野直花役・大西桃香、西宮結絃役・大川永と德岡明(Wキャスト)、川井みき役・河内美里が登場した。

 漫画家・大今良時氏が『週刊少年マガジン』(講談社)に連載し、第19回手塚治虫文化賞新生賞などを受賞した同名作が原作。2016年に公開された同名劇場アニメ映画は、公開館数が小規模ながら累計動員177万人を突破するほどの話題にもなった。

 ガキ大将だった石田将也は小学生のときに天候してきた耳に障がいを持つ西宮硝子に好奇心を持つ。しかし硝子とのとあることがきっかけで、将也は周囲から孤立し、心を閉ざしてしまう。その5年後高校生へと成長した将也は硝子の元を訪れる。心を閉ざして過ごしていた2人の心は少しずつ開かれていき、周囲にも仲間が増えていくのだが……。

 取材会前にはゲネプロが開催。キャラクターたちの心情は、40曲近い楽曲がすべて生演奏のなかで表現され、浮き立つような気持ちや、哀しみの心情が細かい部分まで伝わってくるものに。楽曲の中には手話が取り入れられ、手話をしている本人ではなく、別のキャラクターが心情を歌い上げる楽曲もあり、本作ならでは、といった演出も見られた。

 終了後の取材会で山﨑は「映画が好きで入りました」と本作にさわるきっかけを語るとともに、本作へは、「動きだったり歌が増えたことでもっと映画とか漫画化に表現されていない動きによって“ピコッ”って魅力があふれるような気がしているんです。歌とか動きの素晴らしさがミュージカル化して魅力になるのではないかなと思っています」と、自身の感じたことを。

 島は、オファーを受けたときのことへ、「お話を頂いたときは恐ろしさを感じました(苦笑)」と率直に語りつつ、「ミュージカルで歌を歌うということで、何通りやるんだろうと思ったら、その全通りのことをやりました。でも、けいこ期間はすごい幸せだったんです」と、バリエーションの多さを語った。

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 大西は「植野直花ちゃんを演じさせて頂くと聞いたときに、私ができるのかなと思って不安な気持ちでいっぱいでした。板垣さんからたくさん教えて頂いて、初日を迎えることにワクワクしています」と、心情を語っていた。

 役作りの話題となり、山﨑は「自分は耳が聴こえるけど、西宮硝子ちゃんがは耳が聴こえない役で、本当に聴こえない状況に陥ったことがないから、完全に寄り添えるわけではないですけど、家で耳栓をしてみて、耳を塞いでみたんです。そのときに、口の動きだけで何を言っているのか分からないストレスって、すごいものなんだと感じました。ちょっとでも硝子ちゃんのつらさを分かった気がして。それをけいこ場とかでどう活かしていくか、お客さんにどう伝えていくかという表現の部分で、苦労した部分はあったなと思いました」と、苦心したという。さらに、山﨑は舞台上で補聴器もつけて演技しているそうで、「けいこ場でもポロッと落ちちゃうことがあって、本番でもそれはあるので、気をつけていかないとという気持ちです」とのことだった。

 全員手話を披露するところがあるが、とくに山﨑と島は手話をしながら歌唱もある。山﨑は「手話を覚えるところから大変でした」と言いつつ、「(島と)2人で一緒にやっているシーンでも苦労があって、言葉で伝えてもらうシーンがあるんですけど、手話で同時に言ってもいけないし、早く言ってもいけないのでタイミングの出し方に苦労しました。それと手話を覚えたのはいいんですけど、それをずらしてやっていくというのは、2つのことを同時にやっている感覚で苦労しました」と、しみじみ。

 これに「本当にそうなんですよね」としみじみうなずいていた島だが「手話と歌を1つ1つ覚えていく作業があって、そこからどうなるんだと合体させてみたら、どちらかができなくなってしまうことがあって」と、こちらも苦労があったそうだが、それをどう乗り越えたかへ「もうこうれは慣れです」というと、宮下が思わず「めっちゃいろいろ喋った結果“慣れ”かい!」とツッコミ、一同爆笑。それでも島は山﨑は「僕たちは頑張りました」と、2人で健闘を称え合うとともに「手話の分かっている方にも伝わるような手話をと思っています」とのことだった。

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 演出を務めている板垣氏は、「最高の出来です。見どころは俳優たちが25人出ていますがみなさんに休みなく働いてもらっていて」と、とにかく動かしているそうで「『疲れた~』と、38歳の宮下くんがずっと言っています。他の人は言ってませんが(笑)」と茶目っけたっぷりに話すと大川は「25人が一体となって作っている感じです」とのこと。さらに、板垣氏からは「心の流れが表現できるようにテクニカルのものも詰め込ませて頂きました」と、ポイントを。さらに「ガッツリミュージカルにしています。原作を読んで、僕が感じた要素は全て入れてみようと思いました。ミュージカルがお好きな方にも日本のオリジナルミュージカルが作れるというところをお見せできればと思っています」と、意気込んでいた。

 そして島が「この作品に真摯に向き合っていきたいと思います。伝説になるような舞台だと思っています」と自信を見せると、山﨑からは「いろんな感情になる作品だと思います。感動や喜びを届けられたらいいなと思っています。たくさんのものを感じてもらえれば」と、メッセージを寄せていた。

 ミュージカル『聲の形』は4日から同8日までサンシャイン劇場にて上演予定!

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