市村正親 音楽劇「エノケン」又吉直樹の台本に「感動」!シアタークリエへの思いも

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(撮影:水華舞 (C)エッジライン/ニュースラウンジ)

 俳優・市村正親、松雪泰子、本田響矢、豊原功補が7月29日に都内で音楽劇『エノケン』製作発表記者会見を脚本担当のお笑いコンビ『ピース』又吉直樹、演出のシライケイタ氏とともに開いた。

 戦前・戦中・戦後の日本を代表する喜劇役者で“エノケン”の愛称で親しまれた榎本健一の波乱の人生を音楽劇化した作品。榎本健一役を市村が演じることをはじめ、前妻の花島喜世子役と後妻の榎本よしゑ役の2役を松雪、エノケンの息子・榎本鍈一役と若き劇団員・田島太一役の2役を本田、エノケンの座付き作家・菊谷榮役を豊原が演じる。

 会見冒頭に作曲・音楽監督の和田俊輔氏の演奏のもと市村が楽曲『私の青空』を歌唱し、さっそく昭和な雰囲気へと報道陣とオーディエンスをいざなった。

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歌唱披露

 本作出演のオファーのときに市村は「エノケンを演じるって、どういうふうになるのかな、これ又吉さんのペン次第だなと思って、楽しみに待っておりました」という気分だったという。その後、完成した台本が「1ヶ月ぐらい前になりますかね、台本をもらってゆっくり読んだんですけど、感動しました。良い台本ができました」と、感銘を受ける仕上がりだったそう。そこで、「又吉さんはいい作品を書かれたので、後は僕らがその作品を素晴らしいものにしてみなさんにお見せしたいなと思ってます」と気合も入ったそうだ。

 本作はすでに東京・シアタークリエでの公演のチケットは完売。そんななか発表会では、東京公演の10月16日18時の回が追加されたこともアナウンス。これに、市村は「すごいですね。まだけいこしてないのに。完売の理由を考えたんですけど、私の努力のたまものかな(笑)。本田くんなんかは若いお客さんがついていますし、頑張りがいがあります」と、率直な気持ちを話していた。

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 エノケンの作品は市村も鑑賞していたという市村。「とにかく素晴らしい役者さんだと思っています」と話し、「喜劇王と言われていますが役者として魅力があるし尊敬しています。僕も舞台人で、舞台に立ち始めて52年くらいになります。劇場で、お客さまの前でいい人生を見せるというのは、エノケンさんも同じ気持ちだったと思います。喜劇という部分で、“笑かす”っていうのは、彼の本に書いてあるんですけども、笑かそうと思って笑かすんじゃなくて、真剣に生きてることが笑いにつながるというので、それが僕らの芝居と一緒だと思います。僕も屋根の上のバイオリン弾きという作品をやっているときに、お客さんをクスッと笑わせたいということを考えているんです。だから、この作品は、エノケンの話なのか自分の舞台人生のなのか、分からない、いい人生を生きられたら良いなと思っています」と、自身の考え方と重なる部分があるとも話していた。

 シアタークリエの舞台に立つことへの思いを問われると、シアタークリエ前身の1957年に開業し2007年に閉館となった芸術座によく鑑賞のため訪れたことを挙げつつ、「僕はシアタークリエという場所にはこの作品でしか立てないと考えています」と思い定めている心境も披露していた。

 ほかにも以前から共演があり親しみがある豊原の昭和っぽい部分はどこかという質問に、「うさん臭いとこじゃないですか」と、気の置けない関係性を窺わせる一言で、会場を爆笑させる一幕もあった。

 音楽劇『エノケン』東京公演は10月7日から10月26日までシアタークリエにて、大阪公演は11月1日から11月9日までCOOL JAPAN PARK OSAKA WWホールにて、佐賀公演は11月15日と11月16日に鳥栖市民文化会館 大ホールにて、愛知公演は11月22日から11月24日まで名古屋文理大学文化フォーラム(稲沢市民会館)大ホールにて上演予定!

 取材・撮影:水華舞 (C)エッジライン/ニュースラウンジ

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