俳優・本田響矢が7月29日に都内で音楽劇『エノケン』製作発表記者会見に俳優・市村正親、松雪泰子、豊原功補、脚本担当のお笑いコンビ『ピース』又吉直樹、演出のシライケイタ氏とともに登場した。
戦前・戦中・戦後の日本を代表する喜劇役者で“エノケン”の愛称で親しまれた榎本健一の波乱の人生を音楽劇化した作品。榎本健一役を市村が演じることをはじめ、前妻の花島喜世子役と後妻の榎本よしゑ役の2役を松雪、エノケンの座付き作家・菊谷榮役を豊原が演じる。
本田はこれまでエノケンの息子・榎本鍈一役での出演が発表されていたが、本会見ではもう1役、若き劇団員・田島太一役も演じることを発表。
これを受けて、冒頭のあいさつで本田は「2役をやらせていただけるっていう話を聞いた時に、すごく嬉しいなっていう気持ちが一番に湧いてきたんです。それは父としてのエノケンさんと、俳優の大先輩のエノケンさんと2つの視点から、エノケンさんというという大きな人物を見ることができるって感じて」と、胸が弾んでいるという。これからのけいこでも、「大先輩方と一緒にお芝居ができるっていう、こんなにも幸せなことはないなと思っております。いろんなことをたくさん吸収していきたいなと思っております」と、学びにもつなげたいようだった。
舞台には「7年ぶり」に立つという本田。「7年前はまだお芝居を学び始めて、右も左も分からないときだったんです。ですから、今回は自分はスポンジになった気持ちで吸収吸収でいきたいなと思っています」と意気込みも。そこで、本田は俳優の先輩3人がしているルーティーンを質問し、どの返答にも聴き入る様子を見せる。
そんななか、市村から急に本田へ「歌唱はあるのか?」との問いかけがあり、本田も「どうですかね?」と、首をかしげていると市村は「演技的に、あの後で1曲ぐらい歌って頂いてこれからの方も頼んでおこうかな」と言い出し、「いいんですか?」と、目を丸くして驚く一幕が。この市村の口添えがどうなったのかは、本番で判明しそうな様子を窺わせていた。
続けて、又吉が書き上げた台本を読んだ感想として本田は、「又吉さんが書かれるからこそ起こる笑いのシーンだったりとかを感じました」と話すとともに「エノケンさんを僕は表面上でしか知らなかったのですが、生き様みたいなものが色濃く深く書かれていて、楽しみになりました」と、深くエノケンを理解できたとの感想も寄せていた。
ほかにも、今春放送のドラマ『波うららかに、めおと日和』で江端瀧昌役を好演し話題に上ることが多くなった本田だが、実際に反響を感じることが多くなったそうで「街でお声がけして頂く事もあるんですけど、学生の頃から会ってる友人の母に、サインを求められたんです。そんな日が来るなんてっていうのは、すごく新鮮な気持ちでした。ありがたいです、とても」と、エピソードを披露していた。
会見中、メイクがくすんでしまった部分が出たのか、豊原がサッとハンカチを出して顔のその部分をふいてあげる一幕や、メイク直しで中座する瞬間もあり、はにかむような笑顔を見せながら戻って来る一幕もあった。
音楽劇『エノケン』東京公演は10月7日から10月26日までシアタークリエにて、大阪公演は11月1日から11月9日までCOOL JAPAN PARK OSAKA WWホールにて、佐賀公演は11月15日と11月16日に鳥栖市民文化会館 大ホールにて、愛知公演は11月22日から11月24日まで名古屋文理大学文化フォーラム(稲沢市民会館)大ホールにて、埼玉公演は11月28日から11月30日までウェスタ川越 大ホールにて上演予定!
取材・撮影:水華舞 (C)エッジライン/ニュースラウンジ