『大長編 タローマン 万博大爆発』(監督:藤井亮/配給:アスミック・エース)横断キャラバン舞台あいさつin東京が8月23日に東京・TOHOシネマズ 日本橋で開催されタローマン、藤井亮監督が登壇し司会は赤ペン瀧川が務めた。
2022年7月に放送され話題を読んだ特撮ドラマ『TAROMAN 岡本太郎式特撮活劇』(NHK教育)。ドラマは「1970年代に放送された特撮ヒーロー番組」という体裁のもと岡本太郎のことばと作品をモチーフに制作され、岡本太郎(日本を代表する芸術)×特撮(日本を代表するエンタメ)の組み合わせで製作。それが視聴者の心をとらえ、深夜での放送ながら口コミが拡がり、放送されるたびにXのトレンド1位を獲得する大反響となった。続編の制作や関連書籍が増刷を重ねが作品が、ついに、スクリーンに進出することとなった。
映画版の舞台は1970年。万博開催に日本がわきたっていたその時、2025年の未来から万博を消滅させるためにやってきた恐ろしい奇獣が襲いかかってくる。CBG(地球防衛軍)は万博を守るため、タローマンと共に未来へと向かっていく。
以下、公式レポート部分。
大阪・東京・名古屋を巡る『大長編 タローマン 万博大爆発』横断キャラバン舞台挨拶in東京。初日は大阪で4回の舞台挨拶行い、2日目となる東京ではTOHOシネマズ日本橋にて舞台挨拶が開催された。劇場には多くのタローマンファンが駆け付け、グッズを買い求める人たちで早くも賑わいを見せていた。
上映後、熱気と興奮に包まれる観客の前に登場した藤井監督とタローマン。登場するや否や、場内を自由に練り歩くタローマンは、観客が持っていたタローマングッズを手に取り監督にサインを促すなど、でたらめな行動でファンを沸かせていた。「105分のでたらめな映画を観てみなさんお疲れでしょうが……」と切り出した藤井監督。大阪での舞台挨拶も大変な盛り上がりだったようで、「本当にでたらめで、舞台挨拶というよりはお祭りのようでした。上映前の体操というていで、みんなで踊ったり(笑)」と報告。
NHK Eテレの1話5分の番組から始まった本作について、「元々はNHKさんから岡本太郎さんの作品とことばを伝える番組を、というお話があって。岡本太郎さんをテーマにした素晴らしい作品がすでに多くあったので、そこで勝負するのは難しいと思っていた時に、太陽の塔を見て、これが動き出したらおもしろいと思って、やはり特撮だと提案しました」と、タローマン誕生の経緯を明かした。
5分の番組をいかに長編映画として見せるかという点には苦労があったと語る藤井監督。「2025年が昭和100年で、万博開催の年でもあったので、テレビでは描かれなかった岡本太郎の万博への思いを表現できたらと思いました」と、長編に込めた思いを語り、関連グッズの人気もさることながら、「タローマン」がここまで愛されるキャラクターになるとは想定外だったという。劇場映画を初めて手掛けた藤井監督は、とくに苦労したことを問われると、「去年の11月から年明けまでずっと撮影していて。背景と人物は別々に撮っているので、そこから合成の作業が半年間くらい続き、これ、終わるのかなって……(笑)」と苦笑い。
「昔の映画はフィルムチェンジの印として、右上に黒い点が出るのですが、タローマンもそれを再現しているので、是非探してみてください」と細かすぎる見どころを紹介。「全カット手抜きをしていないので、楽しんでいただけたら嬉しいです」と語るように、音響や70年代風の画づくり、画面アスペクト比など隅々までこだわり抜かれた映画となっている。また、特撮との出会いについては、「僕の生まれた年は特撮氷河期と言われていて、リアルタイムで見ていない分、特撮に対する憧れがあったのかもしれません」とコメント。
岡本太郎のことばと作品は、どのようにチョイスされたのか。藤井監督は、「岡本太郎のことばから決めていきました。その言葉から逆算してストーリーを考え、作品を選び、奇獣たちをデザインしていきました」と明かした。続編の可能性について問われると、「元々が岡本太郎の展覧会のPRのために作られた番組なので、もしまたタイミングがきたら考えてみようと思います」とコメントした。
ここで、世界三大ファンタスティック映画祭の一つである「シッチェス・カタロニア国際映画祭」と、「ストラスブール・ヨーロピアン・ファンタスティック映画祭」への出品が発表!カナダ・ファンタジア国際映画祭でのクロージング上映に次ぐ快挙に、観客からも拍手が沸き起こり、藤井監督は「海外の方に伝わると思っていなかったので驚きです。内容もネタも日本ローカルなので……。海外の方がどう受け取ったのか気になります。海外にタローマンが行ったら楽しいでしょうね。その時はタローマンのスーツを新調しないと(笑)」と、想定外の快進撃に戸惑いつつ、笑顔を見せていた。
最後に藤井監督は「この映画はみなさんの口コミが頼りです。映画を楽しんでいただけたら、是非広めていただけたら嬉しいです」と締め、マスコミ向けのフォトセッションでは、パネルの公開日の部分に、タローマンが「大ヒット上映中」のシールを逆さまに貼り、達磨の目入れ的演出で盛り上げ、イベントは大盛り上がりのうちに幕を閉じた。
※記事内写真は(C)2025『大長編 タローマン 万博大爆発』製作委員会