“リトグリ”の愛称で親しまれている女性ボーカルグループ『Little Glee Monster』が11月8日と11月9日の両日に千葉・幕張メッセイベントホールでワンマンライブ『Little Glee Monster Live 2025 “Voice”』を開催した。
単独ライブとしては今年7月21日に終了した全国ツアー『Little Glee Monster Live Tour 2025 “Ambitious”』以来約4ヶ月ぶり。幕張メッセ イベントホールでのライブ自体はかれん、MAYU、アサヒで行った前体制ラストライブから約3年ぶり。ガオラー(Little Glee Monsterファンの総称)にとっても忘れられない思い出の地に、今度はミカ、結海、miyouを加えた6人で立つこととなった。
以下、11月9日公式ライブレポート部分。
会場が暗転すると、メンバーの歌声が客席の至るところから響き始める。そして、バンド演奏が鳴り響く中、アリーナ中央にスポットライトが当てられると、そこにはシックな装いのリトグリ6人の姿が。彼女たちはステージに向かって歩き出すと、そのまま「ECHO」からライブをスタートさせた。ブラスセクションにストリングス隊を加えた、通常よりもゴージャスなバンドメンバーとともに、6人は巧みなコーラスワークを交えながらパワフルな歌声を届けていく。
「WONDER LOVER」では、序盤はマイクスタンドの前に立ちダンスを抑えて歌に専念。途中、マイクを片手に息の合ったダンスを見せる場面もあったが、この日は普段よりも大人びた表現でこの曲をパフォーマンスしてみせた。以降もセクシーさをにじませた「Baby Baby」、躍動感の強いサウンドに瑞々しい歌声を乗せる「Join Us!」と新旧の人気ナンバーを連発。会場の一体感を作り上げるのに最適な「DIVA」では、6人がステージ後方の高台へと上がり、会場を見渡しながら温かな歌声を響かせる。
miyouの「星みたいに自由な形で、あなたらしく弾けてください」というメッセージから始まった英詞曲「Pop Like A Star」では、ゆったりとした大きなノリで会場を包み込んでいく。続く「Gravity」では落ち着いたトーンの演奏とともに、カラフルな6人の歌声が客席をリトグリ色に染め上げることに。そして、かれんの「まだまだ行けるか?」を合図に代表曲「好きだ。」に突入すると、ガオラーのクラップがさらなる一体感を作り上げ、ライブはこの日最初のクライマックスを迎えた。
ストリングスの美しい音色に導かれ始まった「青春フォトグラフ」では、カメラを手にした6人が2手に分かれて、2階スタンド席を巡回。観客のそばまで移動して、多くのガオラーたちとコミュニケーションを図るなど、最高のサプライズでオーディエンスを歓喜させた。
9曲立て続けに披露し終えたところで、この日最初のMCへ。MAYUが観客に着席を促すと「より繊細に歌声をお届けしたいと思います」と告げ、ステージ上の階段に腰掛けた6人はバラードナンバー「会いにゆく」を歌い始める。エモーショナルさと繊細さが混在するこの曲を、彼女たちは感情をたっぷり込めて届けていく。その一方で、「いつかこの涙が」では曲序盤をピアノとストリングスのみをバックに、切ない歌声で楽曲を色付け。心地よいコーラスワークと情熱的なボーカルで観客の目や耳を釘付けにすし、聴き手の背中を優しく支えてくれるような歌が印象的な「きっと大丈夫」で、バラードロックを締め括った。
バンドメンバーによるセッションタイムで会場の熱気が再上昇すると、淡いブルーの新衣装に着替えたリトグリが「Love To The World」を1人ずつアカペラで披露し始める。6人の個性が強く打ち出された歌唱で会場の空気を掌握すると、バンド演奏も加わり、客席の盛り上がりもさらに加速。続く「Hurry up!!」では6人のギアが一段高く入り、リズミカルなボーカルワークとしなやかなダンスにもより熱が入る。
大ヒット曲「世界はあなたに笑いかけている」のイントロが会場中に鳴り響くと、ライブもいよいよ終盤戦へ。6人はポジティブさに満ち溢れた歌声とともに、ステージの端から端まで移動しながらガオラーへ笑顔を振りまき続ける。彼女たちが放つ多幸感溢れる歌声は、続く「For Decades」でもさらに力強さを増していき、オーディエンスのシンガロングが加わることで最高潮へと近付いていく。miyouが「あなたの“Voice”、ちゃんと届きました!」と告げると、「晴れの舞台」「SAY!!!」のメドレーに突入。メンバー、ガオラーがそれぞれ手にしたタオルを頭上で回すことで、さらなる一体感を生み出した。
ミカが「最高すぎる、みんなの“Voice”。本当にいい声してるね」と客席に呼びかけると、結海も「みんな、最初に後ろから出てきて、びっくりしたでしょ?」と続ける。そして、miyouの呼びかけによりステージ後方には総勢40人以上におよぶ“LGMクワイア”が登場。「次の曲は、私たちが見えない何かの殻を破ろうとしていたときに、光を見せてくれた大切な曲。この音が、この言葉が、この光が、この声が、あなたの中に優しく届きますように」とメッセージを添えて「Break out of your bubble」が始まると、リトグリやクワイアの紡ぎ出す生命力に満ちた“Voice”がオーディエンス1人ひとりの心を包み込み、ライブ本編は終了した。
オーディエンスの声援に応えるようにステージに再登場したリトグリは、6人のみでFOR REALのカバー「You Don’t Know Nothin’」をアカペラで披露。彼女たちの声から放たれる生命力や存在感の強さに、会場中の観客は無言で惹きつけられ、エンディングとともに盛大な拍手が送られた。
アサヒの「自分のことを愛せるのは自分だけだよと、リトグリが教えてくれました。みんなにも自分を一番大切に思ってあげてほしいです」というメッセージに続いては、「Love Yourself」へ突入。笑顔とともに届けられる歌声からは、その場にいるすべての者を肯定するようなポジティブが感じられ、自然と客席へと笑顔が伝染していく。
最後の曲に入る前には、かれんの口から来年5月に始まる新たな全国ツアー開催がサプライズ告知され、客席は歓喜の声に包まれる。続けて、「私たちは3年前にもここで公演しました。そこで私は『リトグリには新しい仲間が必要です。リトグリの新しい未来に期待していてください』とお伝えしました。そして超最高な3人が入ってきてくれて、もうすぐ3年になります。この6人でここに戻ってこられたのは、皆さんの応援のおかげです」と感謝を伝えると、再びGMクワイアをステージに呼び込んで「LIFE」を披露。“Voice”と銘打った特別な2日間にふさわしい、さまざまな歌声の魅力が伝わるパフォーマンスで『Little Glee Monster Live 2025 “Voice”』はフィナーレを迎えた。
(文/西廣智一)
(写真/キセキミチコ)
◇セットリスト
Little Glee Monster Live 2025 “Voice”
11月8日(土)、9日(日)
幕張メッセイベントホール
01. ECHO
02. WONDER LOVER
03. Baby Baby
04. Join Us!
05. DIVA
06. Pop Like A Star
07. Gravity
08. 好きだ。
09. 青春フォトグラフ
10. 会いにゆく
11. いつかこの涙が
12. きっと大丈夫
13. Love To The World
14. Hurry up!!
15. 世界はあなたに笑いかけている
16. For Decades
17. 晴れの舞台 ? SAY!!!
18. Break out of your bubble
アンコール
EN1. You Don’t Know Nothin’(カバー/アカペラ)
EN2. Love Yourself
EN3. LIFE










