劇場アニメ『ALL YOU NEED IS KILL』 (監督:秋本賢一郎/配給:クロックワークス)舞台あいさつ付き上映会が1月11日に東京・新宿バルト9で開催されリタ役の見上愛、ケイジ役の花江夏樹、秋本賢一郎監督が登壇した。
死ぬとその日の朝に戻るタイムループに閉じ込められたリタと、「君が死んだら俺も戻るんだ」とリタの前に現れたケイジが未来を切り拓く姿を描いたアニメーション。しかし、その果てに待っていたのは生き残るのは一人という選択肢となってしまう……というアクションファンタジーSF作品。
以下、公式レポート部分。
この日のチケットは完売で、場内は満席。映画上映後の熱気あふれる会場にやってきた見上は「短い時間ですが、今日はネタバレができるということで、いろんな話しができたら」と呼びかけた。
本作が声優初挑戦となった見上は「すべてが違いました」と収録を振り返ると、「普段は表情だったり、自分と相手の役の方々と、その場で作る間のようなものを使って表現をしていくんですけど、今回はもう絵ができあがっていたので。自分の声だけでそれを表現していくのがすごく難しかった」という。
声優の心得として「キャラクターが口を動かしてたら、台本にセリフがなくても何かしらの声が入ります」と教えてもらったと明かし、「そうなんだ、と思って。それは初めてだったので苦労しました」と笑う見上。「ただ映画とかドラマでも、普段の走っている息遣いって、後から自分の動きに合わせて、その声だけを録ることが多いんです。それでよく『走ってる風な声はうまいね』と言っていただけることがあったので、そこはちょっと自信を持っていくぞと思って、ハァハァしてました」と笑顔を見せた。
また収録を一緒に行った花江の「ここがすごいと思った点」を尋ねられた見上は「わたしが言うのは失礼だとは思いますが、全部です!」とキッパリ。「私は3日間収録があって、1日目がひとりで。2日目にご一緒して、3日目が
またひとりだったんですけど、花江さんから影響を受けすぎて。3日目にひとりになった時に、1日目に録ったひとりのシーンを全部録り直すくらい影響を与えていただいて」と振り返ると、「花江さんの声が、目をつぶって、絵を見なくても感情が体に入ってくるくらいに伝わってきて。『すごい、どこから声が出てるんだろう』と。技術的なことはもちろんですけど、すごく心を動かしながらやってらっしゃるんだろうなっていうのがすごく伝わりました」と感じたという。
一方の花江は、収録の最初は緊張しているように感じたという。「その日は1日中録ってたんですけど、最初と最後でお芝居に対するアプローチが変わってきたなという印象がありました」とのことで、「実は3日目は見上さんがおひとりで録られていたんですけど、僕もちょっとだけリテイクで現場に行ったんですよ。その時の表情や佇まいが、昨日と違うなと。まるでリタのように、この短期間でものすごい成長を感じられたなと思って。個人的にすごくビックリしました」と振り返
った。
そして花江自身のデビュー当時を思い浮かべ、「僕のデビュー当時より全然うまい。本当に素晴らしい」と称賛するひと幕も。「僕だってデビュー当時はすごく可愛い声してたんですよ。すごいピュアだったんで」と笑いながら語ると、「あの頃のお芝居は、自分でも素敵だなと思うんですけど、それにプラスして女優さんとしてやってこられた経験が、すごく役に反映されていたんです」とコメントすると、さらに「リタって何か分からないまま巻き込まれて、同じ日を繰り返すじゃないですか。状況的にも初めてのアフレコブースで。あんなシーンとしたところで向き合わなきゃいけないのは嫌じゃないですか。ドキドキしますし。そういう心境が役にリンクしてるな、というのはすごく感じました」と付け加えた。
そんな見上が3日目にリテイクしたことについて「申し訳ないなと思っていました」と振り返った秋本監督。「でも作品の中のリタとケイジにすごくリンクするところがあって。1日目から良かったんですよ。リタをつくりこんでから収録に臨んでいただいた」と述懐。リタとケイジが出会ったシーンでは化学反応を感じたそうで、「こちらのリアクションはたぶん、ブースには届いてなかったと思うんですけど、みんな一同『すごい!』という感じで目を見合わせて感動したのを覚えてます」と振り返ると、「ちょっと泣きそうになりました、すごいなと思って。ただただ見守ってました」と感慨深い様子で付け加えた。
そんな見上をリタ役に抜てきした理由を「見上さんをお見かけしたとき、声質、たたずまい、表情がものすごくリタっぽいなと。こんなかっこいい俳優さんがいるんだと衝撃を受けまして。お声がけさせていただきまいた」と明かす秋本監督。また花江をケイジ役に抜てきした理由については「花江さんは、弊社の別作品でご一緒しているけど、そのときに、花江さんが演じたキャラクターの特長や、捉え方に、自分でも感動して。ケイジがやさしさと強さを合わせ持ったキャラクターということもあり、これは花江さんしかいないと思い、お願いしました」と語った。
そしてあらためて本作を鑑賞した感想を求められた見上は「すごく独特の色使いで。私も試写をスクリーンで見させていただいたんですけど、音がすごく印象的で。これは映画館でぜひ見てほしいなと思う映画でした」とコメント。花江も「毎日を繰り返すじゃないですか。同じシーンがたびたび流れるんですけど、そこはやっぱり印象に残るような演出、カメラワークがすごく印象に残っていて。『これは映画1本で見るに値する作り方だな』というのはすごい感じました」とコメント。そんなふたりのキャスト陣の言葉に、秋本監督も「ホッとしております」と安どの表情を見せた。
さらに原作小説をもとに、映画の実写版、コミックス版と展開されていったが、その中で今回の劇場アニメ化するにあたっての苦労を質問された秋本監督は「原作も漫画も、実写映画の方も、それぞれ内容もデザインもオリジナルの切り口を持って確立されていた作品になっていたので、この作品を作るっていう時も、オリジナルを目指して作りたいなと思いました」と本作で目指したところを語ると、「それはキャラクターデザインにしてもそうですし、色に関してもそう。この作品はリタの心の変化を表現しているわけですが、それもオリジナルの要素として、ひとつのアニメーション作品として作りたいなと思ってこういう作品になりました」と明かした。
また本作のモチーフに合わせて、「もし同じ日が繰り返されることになったら何をしたい?」という質問も。それにはまず見上が「私は温泉が大好きなんです。毎日温泉に入れたらいいのにと心から思ってるんです。だから温泉地に住んで、毎日温泉に入りたい。タイムループして今日はA、今日はBと、いろんな温泉に毎日入れるんなら、繰り返してもいいかな」と笑顔でコメント。
花江も「僕はゲームが大好きなんですけど、積んでいるゲームがたくさんあるので、今日はA、今日はBとやっていけたら。でも考えようによっては、今回のこの作品と同じで。あそこで失敗したから、もう1回。次の日にリセットされたら進めるかも、ということがあるかもしれないですね」とコメント。さらに秋本監督も「僕も本をいっぱい買うんですけど読めない本がどんどん積まれてしまうので。それを繰り返し読みたい」と続けた。
そんなイベントもいよいよ終盤。最後のコメントを求められた秋本監督は「このフィルムは完成してから皆様にお届けするまで、ちょっと時間が空いていたので、こうやって無事届けることができて本当にホッとしています。この作品には本当に色んなスタッフの思いが詰まっています。なので、この作品何度も見ていただいて、その思いを受け取っていただけると本当に嬉しいです」とメッセージ。
花江が「映像を見た時に本当に参加させていただいて良かったなと思えた、そんな作品でした。何度もいろんなシーンを味わっていただきたいなと思っておりますので、リタとケイジの成長をまた見守っていただけるように、皆さんまた劇場に足を運んでいただければ嬉しいです」と続けると、最後に見上が「私はこの作品を見て、生きる希望みたいなものを感じて。そういう作品を今やることに意味があると思いましたし、そういう作品が自分の声優初挑戦の場だったことがものすごく幸せだなと感じています。皆さんにはもう1回見ていただきたいですし、ぜひぜひお友達とか知り合いの方とか誘って見に来ていただけたら」と会場に呼びかけ、イベントを締めくくった。
※記事内画像は(c)桜坂洋/集英社・ALL YOU NEED IS KILL 製作委員会




