神田松之丞「講談えほん」イベントで親子連れ前に講談し「ほどほどにウケてましたね」と手応え!「未来の講談師がこの絵本の先にいるのではないか」との思い披露

神田松之丞「講談えほん」イベントで親子連れ前に講談し「ほどほどにウケてましたね」!「未来の講談師がこの絵本の先にいるのではないか」との思い披露6

『講談えほん』発売記念イベントが開催!

 講談師・神田松之丞(36)が1日、東京・文京区の講談社内で『講談えほん』(講談社)発売記念イベント第1部を開催。300人の親子連れを前に読み聞かせや講談を行い、司会はTBSの出水麻衣アナウンサーが務めた。

 講談社創業110周年記念企画で、松之丞が監修した講談の絵本が11月28日より3冊同時発売。その内容は、西行、大岡越前、宮本武蔵の講談をピックアップしたものとなっており、次世代に伝えたい講談をという思いが込められている。この日は、第1部、第2部の2部制となり第1部は5歳から小学生とその親の300人、2部は350人とどちらもチケットは完売している。ちなみに、松之丞は『いま最もチケットが取れない講談師』という異名もとるが、この日の第2部は親子連れではなくても購入可能で、関係者によるとチケット販売開始約10分で売り切れたというほどの反響ぶりを見せている。

 まずは、出水アナが登場し松之丞がパーソナリティを務めるラジオ番組『神田松之丞 問わず語りの松之丞』(TBSラジオ、金曜・午後9時30分~)を聴いているかどうかと尋ねると、大人たちの手が多く手が挙がり出水アナもお礼したりと、熱心なラジオリスナーが集結しているなかでのものに。

 イベントで松之丞は『山田真龍軒』の講談を披露。約20分ほどの話となり、講談中も子供から大人までたびたび笑い声があがり、終わった後に出水アナが感想を尋ねると子供が手を挙げて「おもしろかった~!」との声が次々あがる。その後は、張り扇を叩く体験会を行い、自分の名前の名乗りを調子よく伝え、子どもたちと一緒に盛り上がり、会場は熱気を帯びていた。

 さらに、子供たちから質問を受け付けるコーナーも。5歳の女の子から「なんでこんな話を作ったんですか?」という問いかけに、昔から語り継がれていま同じ話をしているとを順序立てて説明したが、これにいまいち女の子は納得できないという表情を浮かべたことから「みんなと一緒に楽しいねということをしたいから講談師をしています」と、シンプルに自身の中の思いを。もう1問、どうやって話を覚えているのかとの質問には、「毎日、コツコツコツコツ読んでいくと覚えるね。100回読めば覚えます。1週間くらい毎日やってると覚えるかな」と、明かすこともあった。

 そして、「声に出して読んで、響きが良いように監修させて頂きました。ちょっと難しいところもあると思いますけど、小さいころに読んだものが中学、高校のときにふと出てきたりするので、あのときやったものだというのを感じてもらえると思います」と、メッセージを寄せ壇上を降りた。

 報道陣向けの囲み会見も開催。今回の講談は子供にもわかりやすいよう、ト書きより会話を重視するものを選んだという。というのも「僕も子供がいるので親近感は湧きますし、子供は絵本好きなんですよ。それで、子供ってシビアで、100冊くらい読むなかで、嫌いな絵本は読まないんです」という姿を見ているからとのこと。

 今回の講談の反応へは、「ほどほどにウケてましたね」と、まずまずといった様子で、「(密着している『情熱大陸』のナレーションで)『松之丞は苦戦している』と入れたかったですけど、なんとかなりました」と、ひょうひょうと話す様子も。

 本の監修という立場へは「お客さんにわかりやすいように、かつ講談のリズムを崩さないというのは思いのほか難しくて。それが今回の3冊は成功したかなって」と、苦労があったとしみじみ話すこともあった。

 さらに、講談をとりまくこれまでの現状として講談本は売れないから出版されなくなっていき「悪循環になっていましたが、今回講談社のなかで、講談というものが売ってもちゃんと商売になるんだというところまで持っていきたいですね」と、意気込む松之丞。そこで本作の売れ行きはどうかと尋ねると、「全く気にならないのは問題でしょうね。なぜ気になるかというと、第2弾、第3弾を出せるかどうかというのがあるんです」と切り出し、講談社以外で講談本を出版し自身も手売りしたことで約1万8000本売れたという事例を引き合いに、「講談の本がとにかく売れるという実績を作らないとと思って売っていたという気持ちはあります。この先に未来のお客様とか、未来の講談師がこの絵本の先にいるのではないかと思うと、気になります」と、考えをとうとうと語った。

 記者からはラジオ番組内でたびたびネタになる『笑い屋シゲフジキーホルダー』のアクリルキーホルダーと比較して、売れ行きはどうなりそうかとの質問も飛んだが「講談社という絶大な力があるので」と、比較して笑わせる一幕も。

 また、松之丞といえば、来年2月に6代目・伯山(はくざん)を襲名予定とあり、「5代目まで全員名人で、僕は名人になれるかわからないですけど、頑張っていきたいですね」という松之丞。ただし、「松之丞でいろんなことをやらせて頂けたなと。それで、超大物の方から『いまなんで名前を変えるんだ』と言われることもあったんです。でも、伯山は45年ぶりの大大大大名跡で、歌舞伎でいえば團十郎に匹敵する名前なんです。だから、言ってくれた方はもったいないというお気持ちで言ってくれたのはわかりますけど、伯山の価値が分かってない。そこで、伯山の価値を分からせるというのが生意気にいうと思ってますね」と、エピソードとともに心境を話していた。

 伯山を襲名したら現在のように毒舌でくさすようなキャラクターが変わるかという問いかけもあり、「変わらないと思います。徐々に責任感が芽生えていくとは思いますが」とスタンスは変えずといったよう。これにはちょっとした裏付けもあるようで「5代目の伯山がファンクラブ通信を出していて50号くらいまであるんですが25号までは応援してくれるファンへの感謝などを書いていたのですが、26号から書くことがなくなったのか、悪口を書いていて。でも、5代目も筋を通して後世に伝えたいと講談を愛していたので、私も講談を愛して講談を今の世界に伝えたいというのがブレなければいいのではないかと思います」と思いを語った。

 『講談えほん』は好評発売中で、2020年にも続刊予定!

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