劇作家・三谷幸喜氏が6月18日に都内で主演の「ドラマW 三谷幸喜『おい、太宰』」完成報告会見を俳優・田中圭、小池栄子、宮澤エマとともに開催した。
三谷幸喜氏のオリジナル脚本で自ら監督を務める“完全ワンシーンワンカットドラマ”。2011年11月にWOWOWで放送された山道に迷い込んだ夫婦を描いた『short cut』。2013年12月に放送された空港を舞台に大騒動を巻き起こす『大空港2013』。そして、昨年秋に撮影された第3弾の本作となる。
今作の舞台は「海」。海辺を舞台に、太宰治を敬愛する平凡な男・小室健作(田中)が太宰治(松山ケンイチ)の恋人のトミ子(小池)に一目惚れしたことから、心中を引き止めるために奮闘するというタイムスリップコメディ。
三谷氏は、本作の出来に「やっとという手応えです。こう言うと前の2作にそうじゃなかったみたいに聞こえてしまいますが、やりたいことが完璧にできたという気持ちです」と、自信を見せる。
ロケーションの選定やタイムスリップものにするというアイデアは、これまでにタッグを組んだ撮影監督からの提案に乗っかったものだったそう。しかし、海での撮影は、「大変で」と苦労があったという。それは足場がボコボコになっている部分があり定めにくいことや、「波が迫ってくるし、100分長回しだから前半と後半の浜辺の状況が変わってくるんです」と、潮の干満があったといい、「そのなかで役者さんたちが頑張るのはすごいなって」と、感じ入ったそう。
結果、100分を6日間6回撮影することになったそう。本作に出演した経緯として三谷氏に以前から出演させてほしいと話をしていた田中としては、今回の撮影を通して「(三谷は)計算し尽くしているという思っていたんですけど、天気も違うし、すごくぶっつけで頑張らないといけない。いい意味で過酷で、いい意味で楽しかったです」と、少し印象が変わったそうだ。
(田中の出演の経緯など記事:田中圭“妻”“一目惚れ”のお相手と笑顔で会見!『おい、太宰』完成報告会三谷幸喜と開催)
また今回のキャスティングについて語られることも。三谷氏にとって俳優には2種類あるといい、ずぶ濡れになると持ち味が失われてしまう俳優と、今回採用したのは「ずぶ濡れになればなるほど面白いキャスティングなので」とのことだった。
ドラマW 三谷幸喜『おい、太宰』は6月29日午後10時よりWOWOWプライム、WOWOWオンデマンドで放送・配信!
<ストーリー>
小室健作(田中圭)は太宰治を敬愛する平凡な男。妻の美代子(宮澤エマ)と出席した結婚披露宴の帰り道、偶然太宰が心中未遂を起こした海辺に迷い込む。太宰ゆかりの地に興奮した健作は暗い洞窟を進んでいく。その先に現われたのは太宰治(松山ケンイチ)と恋人のトミ子(小池栄子)。タイムスリップしてしまった健作はトミ子に一目惚れをする。しかし、史実では2人はもうすぐ心中してしまう。トミ子を助けたい健作は奔走する!
取材・撮影:水華舞 (C)エッジライン/ニュースラウンジ