俳優・北山宏光主演で11月7日より上演予定の舞台『醉いどれ天使』(演出:深作健太)。本作に俳優・渡辺大、横山由依、岡田結実、阪口珠美、佐藤仁美、大鶴義丹が出演することが7月22日に発表となった。
黒澤明監督と俳優・三船敏郎が初めてタッグを組んだ同名映画を舞台化した作品。1948年、2021年の舞台版それぞれの作品が持つ魅力を引き継ぎつつ、新たな視点で『醉いどれ天使』の世界を紡ぐ。北山は三船が演じた闇市を支配する若いやくざ・松永役を演じる。
追加共演者は、松永と対峙する酒好きで毒舌な貧乏医師【真田】は渡辺大。松永と同郷で彼に思いを寄せる【ぎん】に横山由依と岡田結実がWキャストで。松永の恋人でダンサーの【奈々江】に阪口珠美。真田の診療所に住み込む【美代】に佐藤仁美。松永の兄貴分【岡田】に大鶴義丹がキャスティングされている。
今回発表された追加キャスト陣からコメントが寄せられた。以下全文。
●渡辺大
このような素晴らしい作品に携われる事を光栄に思います。
そして真田のような役をやらせていただける歳にもなれたのか、と感慨深くもなりました。
キャスト、スタッフ全員のエネルギーがぶつかり合う舞台になれるよう、全力でこの作品と対峙していきたいと思います。
80年近く経っても色褪せない名作の魅力をお客様にお届けいたします。ぜひ、よろしくお願いいたします。
●横山由依
長い間、多くの方に愛されてきた『醉いどれ天使』という作品に関わらせていただけること、とても嬉しく思っています。
今の時代にこの物語をお届けできることにも、大きな意味があると感じています。
劇場に足を運んでくださった皆さまに「来てよかったな」と思っていただけるよう、心を込めて、“ぎん”という役と丁寧に向き合っていきたいです。
東京、名古屋、大阪と3都市でこの公演ができるので、より多くの皆さまにご覧いただきたいなと思います。
●岡田結実
歴史ある「醉いどれ天使」という作品の舞台に立てることが、なによりも嬉しく心から光栄に思います。
蓬莱竜太さんの脚本を初めて読んだ時、深作健太さんと初めてお話しさせていただいた時から、ぎんとして、役者として、いち人間として、この作品を今の時代を生きる人にどう届けられるか毎日考えております。
生きるということは、愛するということは、幸せになりたいと願うことは…
答えも正解もないこの時代の人間だからこそ出来る表現を模索し、北山さんを始めとする素晴らしいキャスト・スタッフの皆様と共に、今だからこそ届けられる舞台『醉いどれ天使』をぜひ楽しみにしていただきたいです。
●阪口珠美
奈々江役を演じさせていただきます、阪口珠美です。
日本映画史に残る「醉いどれ天使」の舞台に出演させていただけると聞いた時は驚きと不安でいっぱいでした。
同時にこの作品で歴史ある劇場に立たせていただける事は私にとって大きな挑戦になりますし、皆さまからたくさん学ばせていただけるチャンスだと思いましたので、この上ない程の気合も入りました。
生きることに必死にならなければいけないと思って頑張っている姿が切なくもありそんな感情も大切に演じられたらと思っています。
映画では戦後間もない時代の女性達が逞しくてエネルギッシュに生きている姿も印象的だったので私も生の舞台で妖艶で魅力的な踊り手、奈々江をエネルギッシュに演じて皆さまに気持ちが伝わるように全力で挑みたいと思います。
よろしくお願いいたします。
●佐藤仁美
とても男らしいというか、とても男くさいというか、男!!!!というイメージの作品だなと思っています。
その中で、愛嬌があって色気があって、どこか儚く、芯の強い、愛される女性を演じられたらなと思っています。
初めて共演させていただく方も多いのですが、素敵な作品になると思います。
男!!!!の匂いを存分に出して、刺激を与えてくれるのではないかと、緊張と楽しみでいっぱいです。
素敵な作品になるように、楽しんでいただけるように、頑張ります!
●大鶴義丹
松永の兄貴分、私が演じる岡田、彼が放つ静かな暴力性は、松永にとって、恐怖と憧れが入り混じったものです。虚勢ではなく、冷酷な本物です。令和の今からは想像もできない、戦後というカオス。そんな激しい時代を自由に生きた、岡田という怪人。今の時代を生きる私が、彼に近づくためには何が必要で、何が不必要なのか。この猛暑のなか、そんな難問に心を踊らされながら、これから始まる稽古に思いを巡らせています。
舞台『醉いどれ天使』東京公演は11月7日から11月23日まで明治座にて、名古屋公演は11月28日から11月30日まで御園座にて、大阪公演は12月5日から12月14日まで新歌舞伎座にて上演予定!
<あらすじ>
当たり前のように存在していたすべてが失われた、敗戦後の東京。
戦争で帰る場所を失った人々は、荒れ果てた都市に流れ着き、闇市でその日その日を生き延びていた。
ある夜、銃創の手当てを受けに、闇市の顔役・松永が真田の診療所を訪れる。
真田は闇市の界隈に住む人々を診る町医者で、酒に溺れ口は悪いが、心根は優しく一流の腕の持ち主。
顔色が悪く咳込む松永を、診療所に住み込みで働く美代も心配する。
一目見て肺病に侵されていると判断した真田は治療を勧めるが、松永は言うことを聞かずに診療所を飛び出し、闇市の様子を見回るのだった。
居酒屋で働く同郷の幼馴染のぎんは、そんな松永を心配しつつも、密かに想いを寄せるようになっていた。
しかし、着々と病魔が松永を蝕み、ダンサーの奈々江は彼から離れていく。
戦後の混乱の中、松永の采配によって落ち着きを保っていた闇市だったが、松永の兄貴分の岡田が出所し、闇の世界の力関係に変化が起きていくのであった…。