俳優・藤井直樹、岡﨑彪太郎らが8月23日に東京・サンシャイン劇場で舞台『あの夏、君と出会えて~幻の甲子園で見た景色~』(演出:木村弥寿彦)囲み会見を開催した。
高校野球の聖地“甲子園”。太平洋戦争中の東京を舞台に、高校野球の全国大会が中止されていた時期の昭和17(1942)年8月に開催されたものの、公式の記録としては認められず、「幻の甲子園」とも呼ばれた大会を題材にした作品。コロナ禍で甲子園出場の夢を絶たれた元球児の大学生が、令和7年の現在から、昭和17年にタイムスリップし、当時の球児たちと共に苦境を乗り越えながら甲子園出場を目指す姿を、瑞々しさとともに描き出す。藤井は、野球名門校・江戸川実業の元高校球児で、令和から昭和17年にタイムスリップする大学生・森下令児役、岡﨑は、昭和17年の江戸川実業野球部主将・津田昭夫役を演じる。
以下、公式レポート部分。
今作の主演で、現代から戦時中にタイムスリップする青年・令児を演じる藤井と、昭和の球児・昭夫を演じる岡﨑は、ともに野球未経験ながら練習に励み、実際の甲子園球場も訪れるなど、役への理解を深めてきました。主演の藤井は「野球を見る機会も全然ないところから面白さを知ることができて、本当に嬉しいですし、(野球監修の)今成(亮太)さんをはじめ、本当にいろいろな人に支えていただきながら、少しずつフォームも良くなってきているんじゃないかなと思っております」と、日々進化してきた様子。
ボールを真下に投げてしまうところから始まった藤井について、永井は「最初はどうなることかと思ったんだけど、日に日に上達していって。バットを振る仕草も、姿勢がすごく様になってきていて、ピッチャーとしてもかなり迫力あるフォームになっていると思うので、ぜひ舞台で楽しみにしていただきたいなと思います」と期待をあおりました。
一方の岡﨑は「僕はテニスをやっていたので、道具持って振るというのは自然とできて。みんな藤井ちゃんにかまっていて……」と苦笑。しかし、藤井も「悔しいんですよ。僕が練習をしていると、こたちゃん(岡﨑)がすっと来て、1回試しにブンッとバットを振った時にみんなが『お~!』って。『負けてられないな』という気持ちでやっていました」と互いに切磋琢磨していたことを明かしました。また、部活のように過ごす夏の日々について、岡﨑は「みんなですごく仲良くなれて、野球部の面々の楽屋に入り浸っています。地方でも部屋割りはどうなるんだろうと、修学旅行みたいに楽しませてもらっています」と語りました。
初日となる8月23日は、今年の夏の甲子園(第107回全国高校野球選手権大会)の決勝戦が行われ、さらには83年前の1942年に作品の題材となった“幻の甲子園”が開幕したという縁のある日。作品ではコロナ禍、そして戦争で甲子園への夢を閉ざされた青年たちの姿を描くため、藤井は「甲子園の歴代の決勝戦の表を見ていたんですけど、『2020年 中止』というのを見て、改めてくるものがあって。きっとどの年も、甲子園を目指して頑張っている人たちがいて、今年もそうですし、その思いを少しでも今回の舞台で乗せられたらと思っています」と意気込みました。
公演は東京・サンシャイン劇場にて8月23日(土)~31日(日)、大阪・大阪松竹座にて9月6日(土)~14日(日)、石川・金沢市文化ホールにて9月20日(土)、広島・広島国際会議場 フェニックスホールにて9月23日(火・祝)、愛知・御園座にて9月26日(金)~28日(日)を予定しております。
■ほかキャストコメント
◯藤井直樹
少しでも多くの方に届き、日々の支えになるような作品になればいいなと思っております。
◯岡﨑彪太郎
今日が甲子園の決勝、そして1942年の8月23日が幻の甲子園が実際に開催された日ということで、高校球児たちの思いを自分で感じながら演じていきたいと思います。
◯永井大
今日は甲子園の決勝ということで、球児たちもこの暑い中で頑張っていると思うので、負けないように頑張りたいと思います。
◯宮地真緒
甲子園の決勝が行われている最中ということで、楽屋でも見ていました。高校球児の頑張る姿を舞台でもご覧いただけるので、ぜひたくさんの方にこの作品を観ていただきたいなと思います。
◯前島亜美
今まさに現代の高校球児たちが熱い戦いを繰り広げていると思うんですけど、こちらの江戸実の野球大会もとっても熱くなっているので、思いを込めてお届けしたいと思います。
◯校條拳太朗
戦後80年の今、こういう作品をできるということに、とても意味を感じています。限られた時間ですが、観てくださる皆様に、生きるということを鮮明にお届けできたらと思っています。
◯福室莉音
戦中を生きる上での重みをしっかりと自分の体と心で受け止めながら、この稽古期間にみんなで積み上げてきたものを、一生懸命皆さんにお届けできたらと思っております。
◯生田俊平
野球部の仲間たちとの熱い絆や、人との繋がり、強さというものを、みんなの力を借りて精一杯表現できればと思っているので、ぜひお楽しみください。
◯佐野遥喜
戦後80年なので、生でお届けするということもすごく意義があるのかなと思っております。稽古場でやったことを信じて頑張っていきたいです。
◯小川丈瑠
戦時下でも野球への情熱を忘れずに全力で戦った球児たちを演じられるということで、仲間を信じて、江戸実の皆を信じて、最後まで駆け抜けたいと思います。
◯琥城雄太
軍国少年の役なんですが、野球に対する思いというのは他の高校球児と変わらないものがあると感じます。誰かを思い、一生懸命生きる美しさを伝えていけたらと思っています。
◯木村弥寿彦
甲子園が盛り上がっている中、今日からうちの舞台も開幕しますので、みんな頑張って1カ月間激戦を繰り広げてほしいですし、その姿をぜひ観ていただきたいと思っております。