松岡茉優 映画『男ともだち』大阪舞台挨拶!三島有紀子監督「すっごい良いお芝居撮れた」裏話

松岡茉優 映画『男ともだち』大阪舞台挨拶!三島有紀子監督「すっごい良いお芝居撮れた」裏話3

 俳優・松岡茉優が10月29日に大阪ステーションシティシネマで映画『男ともだち』(監督:三島有紀子/配給:ハピネットファントム・スタジオ)舞台あいさつ付き先行上映イベントに三島有紀子監督とともに登壇した。

 直木賞作家・千早茜氏のロングセラー小説『男ともだち』(文春文庫)が原作。才能はあるが、身勝手で人間関係に不器用で孤独や不安定な心情のクリエイター・神名(松岡)。出会ったころからなぜか神名を深く理解している男ともだち・ハセオ(成田凌)、神名の恋人で同棲相手・彰人(井上祐貴)らとのままならなくも豊かで清濁あわせ持つ感情などの物語を紡いでいく作品。

 以下、公式レポート部分。

 本作をいち早く鑑賞するため500人ほどの観客が、大阪ステーションシティシネマ最大キャパの会場に駆けつける中、松岡と三島監督が登場すると、大きな拍手で迎えられた。松岡は観客に向けて、「9月の1ヶ月弱、舞台で大阪に滞在していたので、すぐ帰ってきたなという感じです。まさか1ヶ月以内に梅田に帰って来れるなんて嬉しいです」と挨拶し、思いがけず早めの帰阪になったことを明かし、会場の笑いを誘った。

 心の些細な動きを丁寧にとらえる手腕をもち今国内外で注目を集める三島監督は大阪出身。第 39 回東京国際映画祭コンペティション部門に選出された新作を引っ提げての地元凱旋となったが、三島監督は「私はもうほんまに感慨深くて。大阪、堂島生まれ育ったので、今日朝を迎えて、『ああ帰ってきたんや』『この街でこうして皆さんと一緒に『男ともだち』を見ることができるんやな』と思って、すごく幸せな気持ちでここに立ってます。また京都というここ(大阪駅)から電車で30分ぐらいの場所でこの映画は基本的に作られてますので、こうして関西の皆さんとスタートを切れるっていうのが、本当に嬉しいなと思います。今日、撮影させていただいたラーメンみよしさん、カフェフロッシュの方も来てくださっていて、ありがとうございます」と、喜びの気持ちを表した。

 本作で描かれるのは、30歳を目前に仕事もプライベートもうまくいかず人生の停滞期を迎えていたイラストレーターの神名(かんな/演:松岡茉優)が、曖昧で特別な関係の“男ともだち”のハセオ(演:成田凌)と共に京都、富山、広島で“3つの夜”を過ごす中で、神名の人生が大きく動き出す物語。主人公が暮らす街であり、大学時代の先輩であるハセオと再会し“第一夜”を過ごした京都は、本作のメインロケ地となった。今年の2月、嵐電や花の回廊とも呼ばれる鴨川沿い、蹴上インクラインなど冬の京都各地で撮影が行われたが、松岡は「ラーメンみよしさんでは、撮影の都合で多分7杯ぐらいいただいたんです。ずっと同じのを食べてたら『あれ。さっきは湯気が立ってたのに、このシーン立ってない』ってなっちゃうじゃないですか。だから毎回、皆さんが出来立ての熱々を運んでくださって食べて。後半はちょっとずつスタッフさんと分けながら食べて、みんなのお腹にラーメンが全部入りました。めっちゃ美味しい豚骨ラーメンなのに、軽くてすっと入るので、普段豚骨ラーメンいただかないよって方もちゅるっと入ると思います」と京都での撮影エピソードを笑顔で明かす。

 さらに、撮影を振り返って「初めて行った場所で言うと、京都の蹴上インクライン。朝日が登る直前のすごく淡い色合いと、当時寒かったので夜露で石がテラテラ光っていたのが本当に宝石の道みたいで、すごく綺麗で。私が演じる神名にとっても、物語のきっかけになるとても大切なシーンだったので、お天気に恵まれて素晴らしい場所でした」と印象的なエピソードも明かした。

松岡茉優 映画『男ともだち』大阪舞台挨拶!三島有紀子監督「すっごい良いお芝居撮れた」裏話1

 神名がハセオと再会する嵐電のシーンは実際に走っている電車の中で撮影されたそう。松岡は「成田さんは中腹の駅で待機してるんですけど、私は嵐山に着いて折り返し『十何分後に出発です』って言われたんですね。嵐山まで来て、嵐山見ないで帰りたくないなと思って(笑)。でも乗り遅れたら撮影できないから、トイレに行きたいですって言って出て、そのまま『ちょっと見てきていいですか!?』ってバーって走っていって、嵐山見て、すぐ戻りました。すごくおいしそうなお団子とか、抹茶のスムージーみたいなのが売ってたんですけど、それはスルーをしまして、すぐ戻って、ハセオの待つ駅までまた揺られていました(笑)」と初告白のエピソードを明かすと、三島監督も「そんなことしてたの!?知らなかった!」と驚く様子を見せた。

 そんな三島監督はロケ撮影について「自分が東映京都撮影所で映画を勉強させてもらってた時代があったので、2年ぐらい京都に住んでいたんです。まさに撮影をした四条大宮に暮らしていていたので、観光というより、暮らしていらっしゃる人たちが誇りに思う場所は、どういうところなのかなと思いながら撮っていました」と助監督時代を過ごした京都への思い入れを語り、「松岡さん、成田さん話したのは、とにかく感じてもらいたい、ということ。現場で風が吹くとか、雪が降るとか、いろんなことを全部感じていただきたいという風に言っていました。それをこの2026年の2月という撮影の時期に、全て感じてお芝居に出してくれたので、こんなに豊かで力強い時間はないなと思いました」と、ロケ撮影が映画全体を作り上げる大きな要素のひとつになっていたことを明かした。

 さらに、本作のタイトルにもなっていて、成田凌が唯一無二の存在感で演じた“男ともだち”のハセオについても三島監督が見どころを語る。ハセオはエセ関西弁で飄々と話し、ぶっきらぼうに見えるが、出会った頃からなぜか神名のことを深く理解し、独特の距離感で接している人物だが、三島監督は「2人のこれまでの関係性と未来を感じさせるハセオのある一言がありまして。私、成田さんに『この一言めっちゃ大事やね』ってプレッシャーかけに行ったんですよ。そしたら成田さんが『え。むず。』って言いながら(笑)。ハセオの良いセリフはたくさん出てくるんですけど、そのシーンはものすごく悩んでくれて、1回目ちょっとうまくいかなくて、2人で『あ、あかんわ』みたいな空気になって(笑)。2回目、『もうなんも考えんとやってみる?』って言ってやったら、すっごい良いお芝居が撮れたんです」と、名シーンが生まれた撮影秘話を明かしたが、「どこのシーンだろう!(笑)私いたかな」と松岡が驚き、「いたよ!」と監督がツッコむというオチがつくトークも繰り広げられた。

 そんな神名とハセオの物語を通して、現代を生きる誰もが「見たことがある」「聞いたことがある」、そして「経験したことがある」複雑な人間関係をリアルに映し出す本作。最後に、これから映画を鑑賞する観客に向けて、松岡は「大人になって、自分が抱えたものを乗り越える瞬間っていうのを、スクリーンの中で神名がもがいていると思うので、ぜひ皆さんに見守っていただけると嬉しいです。ほんとに今日は来てくれてありがとうございました。また大阪帰ってくるで!」と、最後は関西弁で締める挨拶を、三島監督は「松岡さん、そして京都の皆さん、みんなでこの映画を作り上げられてよかったなと心から思います。この映画は、今お話ししてくださったように、いろんな傷も抱えながら、壊れたりしながらも、全てのことを糧にして次の扉を開けていくきっかけとなる映画かなと思っております。成田さんの言葉をお借りすると、“愛に関する映画”。人を愛したくなる映画でもあると思います。皆さんの心の中でいろんな発見をしてもらえたらめちゃくちゃ嬉しいです」とメッセージを贈った。大阪ならではの笑いとあたたかい空気に終始包まれたイベントは、大盛況のうちに幕を閉じた。

 ※記事内写真は(c)2026『男ともだち』製作委員会

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