俳優・湖月わたる、柚希礼音が12月15日に東京・よみうり大手町ホールでダンス×演劇『マイ フレンド ジキル』(演出:瀬戸山美咲)初日を前に演出の瀬戸山美咲氏とともに会見を開いた。
幾度となく映画化・舞台化されてきた、怪奇小説『ジキル博士とハイド氏』をモチーフにした作品。「善」と「悪」の二面性を持つジキルとハイドをダンスで表現する“踊り”と、ジキルを尊敬しながらも心揺れる親友アタスンの目線で物語を進める“語り”の2人だけの舞台となっている。なお、Aバージョンは踊りを湖月、語りを柚希、Bバージョンはその逆になっている。
かつて2019年にs**tkingzのshoji、Oguriにより初演、再演を重ね湖月&柚希による新バージョンとなり、その魅力を瀬戸山氏は、「初演・再演は試行錯誤しながらで創作の楽しさがあったんですが、あらためてわたるさん礼音さんと一緒に新しく創作しました。お互いの元々の関係性も含めて演出できたんじゃないかなって思っています」と、新規性があるという。さらに、演出を手掛けてみて、2人が「一緒に身体を通して伝えている感じがしているんです。2人の相性が素晴らしいです!」と、たたえていた。
湖月と柚希といえば宝塚歌劇団・星組出身で宝塚歌劇団時代も共演をし、2人だけのダンスシーンなどもあったという間柄で今回、退団後は初共演となる。この話題を湖月に振ると「なんと19年ぶりに作品づくりになるんです。なのにまったくブランクを感じない精神性というか関係性というか空気感があって、昨日までずっと一緒にやっていたような感じで」というほど久しぶりという感じがないのだとか。
柚希も、「毎日が本当に幸せで、感激の塊なんです(笑)。(宝塚歌劇団時代は)わたるさんに私は育てていたようなものです。袖でわたるさんを見ながら育っていますが、舞台上の役だけではない、舞台人として学ばせて頂いて。また、19年ぶりにご一緒できて、ほんっとうに嬉しいです!!」と、笑みがこぼれた。
作品の話題に移ると湖月は「手紙を読みながら言葉にあわせて踊るということをしていて、セリフに合わせて踊るのが初めての経験なんです。お互いの声を感じながらというのが見どころだと思っています」といい、柚希は「声色や技術だけで表現していても太刀打ちできない場所を感じているんです。その人がその時に本当に思った気持ちをというのを、しっかり表現しつつ愛を重ねる。そんなわたるさんを感じていないとできない役だと感じています」とのこと。
そんな2人に演じてみて感じたお互い見どころを質問すると、柚希は「わたるさんがジキルのときの登場があまりにも格好良くて!!アタスンはドキドキしながらジキルと握手をしたという話をする2人が出会うシーンなんですけど、そこが憧れるわたるさんなんですよ!わー!格好いい!!と。そこはお見逃しなく」と、興奮気味にアピール。
一方の湖月は「ジキルが弱ってるときに『待ってる』というセリフが、その思いに温かさがあって。“ちえ”(柚希の愛称)のあの瞬間のキラキラした『待ってる』はグッと引っ張られて。みなさんも受け止めて頂ければ。ダンスも素晴らしいです」とのことだった。
ほかにも作品にあわせて、新たに知ったお互いの一面は?という質問も飛んだが、柚希は「深く知ってたから19年変わってなくて。おけいこ場には一番にいらして最後まで残って全員に声をかけて。何も変わってらっしゃらずでした」といえば湖月も「宝塚在籍のときは10年差があったのですが、想像していた通り一生懸命で分からないことは分からないとしっかり探求したり、身体づくりにストイックに臨んでいて、あれからも頑張り続けていまがあるんだなと思います」と、変わらなさをより強く感じたと話していた。
『マイ フレンド ジキル』東京公演は12月16日~12月22日までよみうり大手町ホールにて、大阪公演は12月27日から12月29日まで梅田芸術劇場シアター・ドラマシティにて上演予定!
取材・撮影:水華舞 (C)エッジライン/ニュースラウンジ





