俳優・吉岡里帆、水上恒司、竜星涼、栁俊太郎、アイドルグループ『乃木坂46』梅澤美波、フィガロ・ツェン、花瀬琴音が7月23日に東京・TOHO シネマズ 日比谷で映画『九龍ジェネリックロマンス』(監督:池田千尋/配給:バンダイナムコフィルムワークス)ジャパンプレミアを池田千尋監督とともに開いた。
漫画『恋は雨上がりのように』の作者でも知られる漫画家・眉月じゅん氏の最新作が原作。かつて香港に存在した美しくも妖しい街“九龍城砦”を舞台に、スタルジーに溢れる世界で、切ないミステリーとラブロマンスが展開される。吉岡は鯨井令子役、水上は鯨井の会社の上司の工藤発役で2人がW主演している。
今回オリエンタルでというドレスコードがあり、思い思いの衣装で登場。とはいえ黒のシックなスーツな竜星は「オリエンタルってなんだろう」といえば、栁は吉岡から「パリコレだよね」と突っ込まれるなど、和気あいあいといった様子。
役作りとして、吉岡は「原作の連載は続いているので」ということを意識し、世界観を壊さないようにしたといい、水上は「工藤の痛み」を意識したという。続けて水上は工藤へ、「どうやって痛みとか弱みを隠しているかが前半で、それが後半に効いてくるので、大事にしていました」と、説明もしていた。
撮影は夏の台湾で行われた。水上よると、「ひたすら暑かったです。温度計があってそこに38度とかで萎えました。汗っかきなんで(苦笑)。でも、それで匂いや湿度が伝わってくるのではないかと思います」と、できにも反映されているそう。
吉岡は、原作の舞台の再現度の高さを挙げ「あの感動は台湾で撮ったからこそだなと思って細かいディティールから空気感まで楽しめるかなと」と話すとともに、キャスト陣の再現力の高さもあげ「漫画から飛び出してきたんじゃという感じのキャラクターもいます」とも。そうした原作漫画と台湾という場所によって「奇跡的なタッグで生まれた映画かなと思います」としていた。
一方、竜星は台湾ロケを通じて、自身のサンバシーンを推す。すると、吉岡は竜星の演じる役は「そこ(がポイント)じゃないと思う。台湾ロケだからこそ、唇の潤いだと思います」といい、竜星もそこだと苦笑いしながらうなずく一幕も。
イベント中、水上は代謝がよすぎて汗が止まらず一度中座してしまう一幕もあり、ほかのキャスト陣が話をつなぐシーンも。そこで吉岡は20代から30代を演じる水上が30代に見えるような身体づくりに奮闘していたことを明かし、「男らしく身体を作り込んでいて、腕がたくましいんです」と、本人を不在ながら役者魂を褒めていた。
また、劇中の台詞にちなんで、キャスト陣が恋をしているものを発表するコーナーも開催。水上は『ベッド』としたためていたが、これは「心配しないでほしいんですけど」と前置きしつつ、「ここ4日間寝てなくて」と眠いからなのだとか。すると、周囲のキャスト陣が「柔らかさは?」「シーツは薄い?」「シーツの柄は?」と興味津々で尋ねだし、水上は苦笑いを浮かべながら「次行ってもらっていいですか」と、話を切る様子も。
吉岡はといえば『盆栽』とし、「早くも隠居生活みたいに思われるかもしれません。植物好きだと言っていたら植物好きの方が周囲に増えて盆栽をもらったんです。盆栽というと松を想像されるかもしれないですけど、バラとか桜とかをもらって。これが、手がかかるんで!私が見てないとすぐ枯れてしまうのです!!(生活の)優先順位変わりました剪定とかもしてます。いまも心配してます。着々と枯れていってるんだろうなって。いろんな意味で心配です」と、相当にハマっている様子を窺わせていた。
そして、水上から「人は基本的に孤独だと思っております。孤独だからこそ、他者を求めて愛を求めて、愛して愛されたりを繰り返していると思います。この作品を観て、その孤独だと感じている人を少しでも包めたらと思っています」と、メッセージを寄せ、イベントを終えていた。
取材・撮影:水華舞 (C)エッジライン/ニュースラウンジ