“キンプリ”の愛称で親しまれているアイドルグループ『King & Prince』髙橋海人が11月26日に東京・TOHOシネマズ新宿で映画『君の顔では泣けない』(監督:坂下雄一郎/配給:ハピネットファントム・スタジオ)公開後御礼舞台あいさつに俳優・芳根京子、坂下雄一郎監督ともに登壇した。
作家・君嶋彼方氏が2021年9月に上梓したデビュー作『君の顔では泣けない』。第12回「小説 野性時代 新人賞」を受賞し、発売前重版をかかった人気作となる。物語の始まりは、高校1年生の夏。プールに一緒に落ちたことがきっかけで、心と体が入れ替わってしまった坂平陸(さかひら・りく)と水村まなみ。これは何かの間違い、と元に戻ることを信じその方法を模索し奔走する。しかし、誰にも言えない秘密を抱えた陸とまなみは、15年経っても元には戻らなかった。進学、初恋、就職、結婚、出産、親との別れ……人生の転機を入れ替わったまま経験していくふたり。しかし30歳の夏、まなみは「元に戻る方法がわかったかも」と陸に告げる……。
髙橋は髪を染めあげた状態で登場した髙橋。11月13日に公開記念舞台あいさつを開催しているが、そのときを再現するように、「ポップコーンの匂いがいいですね。ポップっコーンを買ってくれるってことはワクワクしてくれているってことですよね」とあいさつして、芳根がツッコもうとする一幕があり和気あいあい。
公開から約2週間、反響は「来てます!」という髙橋。「『King & Prince』のスタッフの方から、『苦しすぎて涙が出なくて、最後の滝のように出てきた』と言ってました。それに沿って、最後までは我慢してもらって、最後にバーっていってもらえれば」と、アピールした。
坂下監督は髙橋のすごい部分として、作品の後半での演技だったという。「芳根さんの役に言われて沈黙するシーンがあるんですけど、編集でその沈黙している時間を数えてみると40・50秒くらいあって驚愕したんです。現場でそれくらい沈黙してて。それで、編集無しで、短くせずに使ってます」と、現実的な沈黙の長さを演技で見せた髙橋に驚いたそう。
これに髙橋は「ほかの現場ならカットがかかって心配されるシーンだったんです。けれど、自分の中では入り込むことだけを考えていたので、そう言って頂けると嬉しいですね」と笑みを浮かべ、芳根も「あの間がリアルなんだよなってと思います」と、称えていた。
続けて、芳根と髙橋でお互いが凄いと思った部分は?という質問も。芳根は「電話するシーンで、(髙橋が演じる)まなみの『もしもし』の一言で泣きそうになって。それだけ髙橋くんの声に、ぐって感情が上がっちゃって。『ごめんなさい、もう一回やらせてもらっていいですか』って言ったことがあるんです。あの“もしもし”は何なんだろうって。苦しいって感情がくるというか……。シンプルな感情がほとんどない作品で、あの“もしもし”に負けたと思っているんです」。
髙橋は芳根へ「説明セリフが難しいんですけど、感情というよりいかに説明っぽく言ってないかっていうのがあるんです。やりすぎるとみなさん心が離れちゃうし、いかに自分事として説明セリフとして聴こえないようにするというか。それは上手いというか職人のような感じで」と感じ入っているという。そんなシーンをキャスト・スタッフともども「みんな集まって語らい合ってほしいなっていうくらい。それで集まったら、僕は先に帰りますけど(苦笑)」と、マイペースに話していた。
ほかラストシーンの話題について振られた際に、髙橋はネタバレにならないか確認するため「1度集合して!」と、3人で観客たちに背を向け丸くなって相談。確認ができたあとに、「初めてお話するんですけど、ラストシーンが本当は違ったんです。本当はなかったんです。その前のシーンで終わるはずだったんです。でも撮影インする前に、ご連絡を頂いて、もう1シーン撮影したいと。最後のシーンが追加される作品は初めてだったので、そこも楽しんでほしいと思います」と、初出しの情報でアピールしていた。
そして、髙橋から「ラストも含めてこの作品は感じ方が人それぞれだと思っています。観てくれた誰かのお守りになるような作品にと思っています」と、メッセージを寄せていた。
舞台あいさつが終わり、髙橋は降壇の際には手を振って舞台袖のところまで歩いていたが、再びマイクを口元に当てて、観客たちに向けて声を出……そうとしたが、マイクが切られてしまっていたのか声は届かず。その状況にはにかむような笑みを浮かべると、丁寧にお辞儀してその場を後にしていた。
映画『君の顔では泣けない』は全国公開中!
取材・撮影:水華舞 (C)エッジライン/ニュースラウンジ


