舞台『PERSONA3 Lunation the Act』(演出:キムラ真)が7月6日に東京・シアターGロッソで開幕。そのゲネプロ写真が公開となった。
2006年にリリースされたゲーム『ペルソナ3』。2024年にはフルリメイク版である『ペルソナ3 リロード』もリリースされるなど、ファンから愛されている。舞台化は2014年の第一弾『~青の覚醒~』を手始めに、2017年に最終章『~碧空の彼方へ~』を上演。歌唱を多く取り入れ、『ペルソナ3』を「舞台」として再構築し、独自の魅力をつたえた。今回のシリーズでは、前作シリーズを踏襲しながらストレートプレイとして届ける。
【あらすじ】
影時間……それは一日と一日の狭間にある隠された時間。
影時間に適性が無い人間は棺桶のオブジェへと姿を変えてしまう。そしてその間だけうごめく異形の怪物「シャドウ」。人々を襲うとされるそれに対抗出来るのは、影時間に適応し「ペルソナ」を扱える者達だけだった。
主人公は、とある湾岸都市の高校、私立月光館学園へ転校してくる。
同じようなペルソナ使い達の集団「特別課外活動部」へと入部、仲間達と絆を育みながらシャドウと対峙していく。それぞれに悩みを抱えながら、共に成長していく仲間たち。
だが彼らを待ち受ける戦いの本当の意味とは・・・・
■ゲネプロ公式レポート
客入れ時から映像と音で『ペルソナ3』の世界観に引き込んでくれるのは、さすが細部にまでこだわるキムラ演出だ。
オープニングの軽快な音楽と共に、主人公たちの日常が活き活きと動き出す。キャラクターとストーリーがわかる構成に、すでに期待が高まる。
主人公・汐見彼方(梅津瑞樹)が深夜に巌戸台駅に到着したところから物語がはじまる。
毎晩0時になると訪れる一日と一日の狭間にある隠された時間「影時間」。
不意に謎の少年・ファルロス(中西智也)が現れる。ファルロスが彼方に「ある契約」を求めるシーンでは、パントマイムの演出が秀逸だった。
翌朝、同じ寮に住む元気いっぱいの同級生・岳羽ゆかり(大西桃香)に案内されて、主人公が転校生としてやって来たのは、桐条美鶴(太田夢莉)の桐条グループが出資している月光館学園。
おちゃらけキャラの伊織順平(武子直輝)とも友達となり、新たな学園生活を送ろうとしていた矢先、事件が起きる。
影時間、同じ寮に住む真田明彦(前川優希)が「シャドウ」と呼ばれる怪物に襲われたのだ。
絶体絶命かと思われたとき、彼方が「ペルソナ」能力に目覚め、シャドウを撃破する。
シャドウ討伐を目的として結成された「特別課外活動部(S.E.E.S)」に加入した彼方たちは、影時間になるたびにシャドウの巣窟「タルタロス」へ戦いに出るのだった。
映像とアクションを交えたシャドウ戦はまさに見ごたえたっぷり。特にステージ上にあるステージシートではその振動さえも感じることができ、目の前でキャストたちが動き回る様子は没入感・迫力満点。ステージシートに座ることができる幸運な方は、またとない貴重な体験をぜひ堪能して欲しい。
夜ごとシャドウと戦う日々で、絆を深め、成長する主人公たち。
そんな中、山岸風花(船戸ゆり絵)という学生が行方不明になってしまった。
調査の結果、タルタロスの中に閉じ込められているとわかり、S.E.E.Sのメンバーは救出へと向かうのだが……。
最後は、特別課外活動部の顧問でシャドウの研究者である幾月修司(瀬戸祐介)が、S.E.E.Sのメンバーへ新戦闘服を渡す。『ペルソナ3 リロード』で装備された新戦闘服に身を包んだ彼らに胸が高鳴る。
また、カーテンコールではペンライトOK!レンタルペンライトという面白いシステムで、気軽に楽しみたい人にはうってつけだ。(毎公演、返却時にランダムブロマイドがもらえる)カーテンコールで披露される舞台版のオリジナル楽曲もダンスも、ぜひ楽しんでもらいたい。
ダンス、アクション、パントマイムとまさに盛沢山の内容で、あっという間の2時間だった。
照明、セット、効果音に至るまで作品の世界観を創り上げていた。
そして「Lunation」に込められた意味が少しだけわかった気がした。
これは2014~2017年に上演された『P3WM』を観た人が、もう一周ゲームをするような感覚で観ると、また違った角度で観られる作品なのだろう。
まさに、新たなる伝説「the Act」の幕開けだ。
公演は7月13日まで。なお出演者のメッセージは以下の通り。
【中西智也さん】ファルロス役
ファルロスは僕自身初めて演じさせていただく役柄で、こういう役も僕自身は初挑戦ですし、そして何よりファルロスはシーンを、雰囲気を変える役割があるのかなと思っているので、そこをしっかりと僕自身表現できるように精一杯演じたいと思っています。
【瀬戸祐介さん】幾月修司役
この作品は、以前に一度舞台化したことがある作品で、その時に指揮をとられていたキムラさんの演出ということで、僕らも全信頼をおいて稽古に取り組めたなと思っております。(原作は発売から19年経った作品ですが)この「ペルソナ3」はまだまだ埃をかぶっていない作品だと思っているので、それを僕らが示せたらかっこいいかなと思います。
【船戸ゆり絵さん】山岸風花役
私はテレビゲームが好きで「ペルソナ3」もリロードからですが遊ばせていただいていて、本当に大好きな作品にこうして出演することができてとっても嬉しいです。風花の気弱だけどしっかり芯のあるところを丁寧に演じられるように頑張ります。
【前川優希さん】真田明彦役
この「PERSONA3 Lunation the Act」という作品が始動してから、キャスト・スタッフ・カンパニー一同、稽古場でも稽古場の外でも、様々な準備と意気込みを持って今日この場に立っていると思います。開幕は明日ですが、今日からまたいろんな方に届けて、いろんな方の心をもう1つ震わせられるような作品に僕らで仕上げていきたいと思います。どうぞ応援のほどよろしくお願いします。
【太田夢莉さん】桐条美鶴役
この舞台は、この劇場の良さを存分に活かした、見る舞台というよりもアトラクションに近いような舞台となっていると思います。ステージシートもございますし、劇場全体を活かしてお客様に楽しんでいただける舞台になるように頑張りたいと思います。
【武子直輝さん】伊織順平役
「ペルソナ3」は自分が高校生の頃にゲームをしていまして、その作品がミュージカル化されて、またさらに今回舞台化されたということで、大きなプレッシャーもありますが、現代の技術をふんだんに使い、そしてキャストも一新して、それぞれがそれぞれの力を持ってこの作品に挑んできたので、本番は素晴らしい景色が見られると思います。しっかりと準備をしてきたので、お客様に見せられるように素晴らしいパフォーマンスを今から楽しみにしていてください。
【大西桃香さん】岳羽ゆかり
今回「ペルソナ3」っていうたくさんの方から愛されている作品に私もこうして携わることができて、本当に嬉しい気持ちと、そして光栄な気持ちでいっぱいです。稽古場から座組の皆様が本当にあたたかくて、すごく毎日が楽しくて。なので初日が明けて、千秋楽までがもう始まるんだなって思うと、今からちょっとだけ寂しい気持ちになるぐらい、すごく毎日が楽しかったので、あとは座組一同ケガが無きよう、120パーセントのものを、来てくださった皆様に届けられるように、一生懸命頑張りたいと思います。
【梅津瑞樹さん】汐見彼方役
奇しくも世間では予言の日などと呼ばれておりますが、オカルトじみたこの日がゲネプロということで、ある意味ではペルソナらしいというか、アトラスらしい初日を迎えることができるのではないかなと思っております。稽古場から座組一丸となって取り組んでまいりまして、本当にいろんなものが舞台上では所せましと行われ、そしてかなり客席でも行われる、すごく楽しめる作品になっていると思います。僕、個人的には、すごくアトラスさんのゲームにはお世話になっているというか、本当に大好きで、家には初回限定版のボックスが並んでいるぐらいなんですけれども、全くペルソナやゲームを楽しんだことがないという人でも、ものすごくワクワクできる舞台になったよう気がしております。また心意気としましては、10年前の舞台化された時の皆様の気持ちも引き継ぐような気概で参りたいと思っております。ご声援のほどよろしくお願いいたします。
舞台『PERSONA3 Lunation the Act』は7月6日から7月13日までシアターGロッソにて上演予定!
撮影:山岸和人
(C)ATLUS. (C) SEGA./PERSONA3 Lunation the Act 2025